貧血に効く食べものといえば、まず思い浮かべられるのがレバーです。代表的なレバーには牛、豚、鶏がありますが、栄養的な大差はなく、いずれも良質のタンパク質、脂質ビタミンA、B1、B2、鉄分などが豊富で、動物性食品には少ないビタミンCまでもが多量に含まれています。 鉄分には体内に吸収されやすいものとされにくいものがありますが、レバーの鉄分は吸収率の高いヘム鉄。しかも造血に不可欠なビタミンB2や銅も多いため、胃腸や肝臓の障害によって起こる悪性貧血にも効果があるといわれています。 また、レバーの成分はそっくりそのまま肝臓に効果的に働くところから強肝食としても有名で、肌を美しくする作用もあります。 苦手という人も多いのですが、臭みをとれば意外に食べやすいもの。特に鶏レバーはやわらかく淡白なので、レバー嫌いの人でも抵抗なく食べられるでしょう。牛、豚レバーに比べてカロリーも低いので、ダイエット中の人にもおすすめです。 生理痛や生理不順に悩まされている人は牛レバーが有効。牛レバーにはホルモンの活動を活発にするビタミンEが豊富なため、症状をやわらげる効果も期待できます。 豚レバーは、とにかく鉄分を補給したい、という人向き。鉄分含有量は豚レバーが最も多く、100g中に13mg、鶏は9mg、牛は4mgです。 ただし、とりすぎは禁物。レバーのビタミンAはとりすぎた分が排出されず、体内にとどまると、肝臓を疲労させたり、脱毛させたりのトラブルを招きます。レバー2?3切れで1日の必要量が摂取できることを、覚えておきましょう。
〔おいしい食べ方〕 水がにごらなくなるまでさらせば、かなり臭みは消えますが、これではせっかくのビタミンB群やCが水の中に溶け出してしまいます。水にさらすのはせいぜい10?15分程度にとどめます。血ぬき後は牛乳や酒に浸しておくと、臭みは消えて風味も増します。時間がないときは、さっと熱湯にくぐらせて表面をかためてしまうのも方法です。 栄養を損なわずに食べるには生食が有効ですが、寄生虫などの心配があるので、加熱した方が安全です。パセリ入りの衣で揚げた香り揚げやレバニラ妙めなどは、ビタミンCと一緒にとることでより鉄分の吸収をよくし、臭みも消してくれる、一石二鳥のお料理です。