プルーンはプラム(西洋スモモ)の一種で、数100種類にも及ぶプラムの仲間の中でも、肉厚で甘みが強いため、最も乾果に適しているといわれています。現在、市場に出回っているのもドライプルーンがほとんど。フレッシュプルーンは夏の一時期に若干量、といったところです。 このプルーン、アメリカでは「ミラクルフルーツ(奇跡の果物)」と坪ばれていますが、それもそのはず、プルーンには各種のビタミン、ミネラルが大変豊富に、しかもバランスよく含まれているのです。 中でも鉄分は他の果物と比べると圧倒的に多く、100g中に含まれる鉄分3.9mg(ドライプルーンの場合)は、グレープフルーツの約40倍、バナナの約13倍に相当するほど。女性の10人に1人は悩まされているといわれる鉄欠乏性貧血の予防には、もってこいの食品といえるわけです。 ビタミン類においても、カロチンはレーズンの約38倍、B1はりんごの約2.5倍、B2はオレンジの約5倍ナイアシンはグレープフルーツの8.5倍と、群を抜いています。 これらのビタミン、そしてミネラルは、代謝をよくして病気を治す力をより活発にしてくれるため、低血圧や冷え性、風邪の初期症状、疲労回復にも効果があります。ペクチンという水溶性の食物繊維も豊富で、便通を穏やかに促進する働きもあり、女性にとっては、まさに毎日とりたい「ミラクルフルーツ」といえるでしょう。
〔おいしい食べ方〕 プルーンの鉄分は、肉や魚に含まれている鉄分に比べるとやや吸収率が劣りますが、ビタミンCや少量の動物性タンパク質を一緒にとることで、吸収率を倍増させることができます。他の酸味と合わせると風味も増すので、サラダに加えてレモンドレッシングでいただいてはどうでしょう。肉の煮込み料理に入れてもなかなかいけます。 もう一つのポイントは、食後のコーヒーや紅茶を控えることです。というのは、これらに含まれているカフェインには、鉄分の吸収を妨げる作用があるからです。食後にはノーカフェインのハーブティーやほうじ茶をどうぞ。どうしても飲みたい場合でも、食後少なくとも30分、できれば1時間は控えたいものです。 なお、プルーンはとりすぎると下痢を引き起こすことがあります。1日10粒が適量です。