ビタミンEとスクアレンの相乗効果 【オリーブ】
料理から美容まで幅広く用いられる植物油
伝説の美女として知られる古代エジプトの女王クレオパトラ。彼女の美しさを保っていたのは実はオリーブ油だったと伝えられます。その時代、オリーブは人間の生と死に深くかかわるもので、子供が生まれたときには全身にオリーブ油を塗り、死者が出たときにはオリーブの花輪で弔う習わしがありました。当時大変貴重なものでしたが、クレオパトラは頭からつま先までオリーブ油に包まれて生活していたようです。 熟したオリーブは果肉にも種子にもたくさんの油脂が含まれています。そこから取り出したオリーブ油は植物油の中で最も艮質とされ、ビタミンA、D、E、スクアレンなどを多く含んでいます。ビタミンA、D、Eはいずれも脂溶性のビタミンで、疲労回復作用があります。中でもビタミンAは皮膚の状態を正常に保つ働きをし、仮に不足すると角質ができ、かさかさした肌になってしまいます。「スクアレン」というのは不飽和脂肪酸の一種で細胞に酸素を送り込んだり、新陳代謝を活発にしたりします。クレオパトラがオリーブ油を愛用していたというエピソードは、オリーブに多くの美肌作用があることを裏づけているのです。 最近化粧品売り場でバージンオイルをみかけることがあります。バージンオイルは収穫したての実から最初に絞ったオリーブ油のことです。普通の化粧品は組織まで浸透することはありません。一方バージンオイルは栄養分として人間の皮脂となじんでしまいます。さらに紫外線防止の働きもあり、オリーブ油の中でも最高級品といえます。
〔おいしい食べ方〕 世界の生産量の98%を担う地中海沿岸の諸国では、料理のつけあわせやサラダの材料として食卓になじみ深いオリーブですが、生の果実は苦みや渋みが強すぎます。塩漬けにしたりピクルスにすると、独特の香りが出ておいしくなります。多くの場合、オリーブはつけあわせで終わってしまいがちですが、薄く輪切りにし、ご飯と一緒に炒めたり、炊き込んだりしてもオリーブのよさが生かせます。 オリーブ油は、オイルサーディン(いわしの油漬け)やドレッシング、スパゲッティなどによく合います。また料理の他にも顔をパックしたり、シャンプー剤にしたりと幅広く使用できます。お風呂上がりの全身マッサージにはオリーブ油が最適で、血行がよくなり、新陳代謝が促進されて、筋肉の疲れや肌の汚れが取り除かれます。
日時: 2007年04月17日 09:47