ふだん毛嫌いされがちなコレステロールも女性ホルモンを作って、みずみずしさを保ってくれるもとになるので、コレステロールがゼロの菜食は美容上よくないといいました。 それならば、コレステロールの多い肉食をすれば肌がきれいになるのか、ということになりますが、肉をたくさん食べるアメリカやヨーロッパの女性には、シミの目立つ人がとても多いのが現実です。 肉や砂糖のように、シミをつくりやすい食べ物を「酸化食」といいます。この「酸化食」ばかりを食べていると便秘もしやすいし、老人性のシミが早くから出てきます。 これはなぜかというと、肝臓に負担がかかるからです。 SOD酵素などを多くとる食事は「還元食」です。 洋食はどちらかというとこの「酸化食」にあたるのでどうしてもシミを作りやすいのです。
それに加えて、彼女たちのシミが多いのにはもう一つ理由があります。それはフライドポテトのような油で揚げたものをたくさん食べるからです。 油で揚げたものを食べるということは、加熱した油を食べることですが、この
加熱した油は血管の中に過酸化脂質を作りやすいという特徴があります。これが
シミを作ったりして肌を汚くする原因になるのです。 ごま油やサラダオイル、リノール酸オイルなどの植物性の油なら体に良いといわれますが、何であれ、加熱した油は過酸化脂質のもとになります。特に体に良いといわれるリノール酸オイルでの揚げ物では、油の再利用は二〜三回まで。それ以上使うと油の中に過酸化脂質ができているので危険です。ですから、特に三十五歳をすぎた女性は、
油で揚げたものはあまり食べないようにするのが美しい肌を長持ちさせる秘訣です。 この場合も和食が威力を発揮します。
和食の調理法には、焼いたり、蒸し煮にしたり、水炊きにしたりする方法があって、これらはどれも油を落として過酸化脂質をとらないようにするにはぴったりの調理法です。 たとえば、豚の角煮のように、まず豚肉をゆでて油を落としておいて、その上で煮るとか、うなぎの蒲焼きでも、最初に蒸して油を落としてから焼くとか、また、しゃぶしゃぶのようにお湯の中でお肉を煮るというふうにすれば、コレステロールはとっても油料理ではありませんから、ローカロリーになるし、過酸化脂質もとらなくてすみます。 そのかわり、しゃぶしゃぶを食べたときは、お肉のエキスが汁の中に出ていますから、ダイエット中でないなら、最後におじやにして汁も食べた方が本当の栄養はたっぷりとれます。 なるべく加熱した油をとらないという意味では、天ぷらもそうひんぱんに食べないほうがいいでしょう。天ぷらにすると、重量の約二〇パーセントくらいは油がくっついていますから、知らないうちにかなりの油をとっていることになります。 それに対して、油炒めはおすすめです。できるだけ火力を強くして手早く炒めれば油もほんの少量ですむし、パリッと仕上がって、色もきれいでビタミンも失われずにすみます。中華料理のあのコツを覚えるといいでしょう。 また、どうしても油をとるなら、サラダオイルをドレッシング風にして、加熱しないまま使うのなら大丈夫です。 太りたくないためにカロリーを気にしている人はもちろん、年とともに油を減らしたいという場合でも、料理法を工夫することで油を少なくできる和食は理想的といえます。