油のとりかた・除きかた
●健康と美容を維持するため、毎日の食事でまず気をつけたいのは油分です
昔に比べて現代では、西洋料理や中国料理が日常の食生活にとり入れられ、油を使った料理がたいへん多くなりました。どんな点に気をつければよいのでしょうか。 まず注意したいのは揚げものです。外食では、天ぷら定食とかトンカツ定食などの揚げものが多くなります。会議などのお弁当にも必ず二、三品の揚げものが入っていますね。外食に揚げものが多いわけは、お肉がちょっぴりでも衣でごまかせるので、レストランに都合がよいからです。 また、揚げものは調理温度が高いので、食中毒の危険がないことも、お店の側には好都合です。そういう理由で、外食をする人はどうしても揚げものを食べさせられることになるのです。
揚げものを食べすぎると、心筋梗塞がおこりやすくなるし、脳の老化から早くボケることもあります。もちろん、揚げものに含まれる油分は多いので、ダイエットの大敵ともいえますね。 高温の油で食品を揚げると、油分が酸化して過酸化脂質として体内に吸収され、血液の中に入ります。この過酸化脂質は、血管の内側を保護している不飽和脂肪酸に作用して、この部分をアカギレでもできたようにケバ立たせてしまいます。 このケバ立ったところに、肉や魚からとったコレステロールが付着して、血管を細くしてしまうのです。そうすると、血栓ができて、心筋梗塞になりやすいのです。また、脳の血管が細くなると血行が悪くなり、ボケの大きな原因にもなります。 若いうちはまだいいのです。二十歳ぐらいまでは、体内に過酸化脂質を無毒化するSOD酵素というものがたくさんあります。ですから、油分をたっぷりとってもかまわないし、成熟のためのエネルギー源としても油分は必要です。 しかし、このSOD酵素は年齢を重ねるとともに少なくなっていきます。ですから、同じものを食べても若い人は心筋梗塞にならないのに、歳をとるとなるのはなぜかというと、そういう体の中をきれいにする自浄作用のある酵素が減るからです。
欧米人は肉食をして油分をたくさんとっていますが、十代の若い人を見ると、「どうしてあんなにきれいな肌なんだろう」 とうらやましくなるくらいです。 それが、二十五歳を過ぎると急にふとって、シミがいっぱい出てきますね。有名な女優さんの写真を見ても、若いころと今とを比べるとがっかりしてしまうでしょう。これも体の中の酵素のはたらきが年齢とともにおとろえて、体質が急に変わってしまった例なのです。
揚げものは外食に多いと書きましたが、最近では主婦の手抜きが増えて、家庭でも冷凍食品の揚げものをよく食べるのではありませんか。衣までついて冷凍されたものをただ油に落とすだけ。保存もきくし、手間もかからないので、忙しい主婦にはありがたいものですが、どうも家族みんなの健康のためには避けたほうがよさそうです。 それから、すでに油で揚げた加工食品にも気をつけてください。ポテトチップスなどのスナック菓子類、インスタントラーメンなどは、高温の油で処理してあるので、過酸化脂質がたっぷり入っています。特に、揚げてから時間がたっているため、油の酸化が進んでいることもあります。 スナック菓子をポリポリつまみ、夜食にインスタントラーメンなどという食事は禁物です。
日時: 2007年03月13日 11:44